瀬戸物豆知識 これであなたも瀬戸の達人です。 [森本陶苑のTOPに戻る] |
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1.歴史 2.釉薬の種類 3.瀬戸の祭り 4.せともの用語集 |
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〜歴史〜 | ||
猿投山の周辺に広がる1千年におよぶ焼き物の町「せと」。 豊富な陶土と燃料(松の木)に恵まれてい瀬戸は、古代から現代に至るまで生産を続けている窯場です。 「せともの」の瀬戸で通じるこの地は、日本で最初に灰釉や鉄釉などの釉薬を用い 室町時代には早くも日用雑器の生産を開始。安土・桃山時代には従来の古瀬戸に加え 織部、志野なども加わり現代の様式が次第に固まってきました。 そしてせとものは、やきものの代名詞として日本のみならず、世界の人々に知られるようになりました。 現在、市域面積は111.62ku、人口は13万人を超えるまでに発展。 |
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〜釉薬の種類〜 | ||
わが国六古窯の中で釉薬を用いたものは、赤津を中心とした瀬戸地区のみであったと言われています。 平安時代から用いられている下記の七種類の釉薬は、伝統的工芸品指定釉薬に選定されています。 |
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黄瀬戸(きぜと) | ||
桃山時代に美濃で作られた黄色の陶器。器全体に絵模様はなく、部分的に草花など 胆礬:タンパン(緑色の斑点)の濃淡が施されています。明るくそしてほんのりと渋い色調が 独特の優雅さをかもしだしています。 油揚げ手や菊皿手などがあります。 |
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織部(おりべ) | ||
桃山時代に千利休の弟子であった古田織部が生み出した焼き物。色彩は赤・黒・緑と 多彩。とりわけ深緑色に焼きあがる緑釉が印象的。 |
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志野(しの) | ||
桃山時代からの技法によって焼かれており、鉄釉で模様を描き、その上から長石釉を かけて焼いた乳白色の陶器。白い淡雪が降り積もったような美しさの中、釉肌に紅い 緋色が所々現れて手取りもよく見た目もやわらかな情感が伝わります。 |
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鉄釉(てつゆう) | ||
黒色または黒褐色の風合い。酸化鉄を多く含む釉薬で鎌倉時代から盛んに用いられた。 | ||
古瀬戸(こぜと) | ||
茶入れ、水差しなどの茶道具に多く使用されており焼き上がりは深みのある黒である。 瀬戸特有の風格と美しさが渋い趣の中に確立されています。 |
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灰釉(かいゆう) | ||
最も古い釉薬とされ水や草を焼いた灰で作ります。和陶の釉としては基本となるもので 灰を水で漉したあとで灰汁(あく)のぬきとりを繰り返す陶土が神経を使って作ります。 |
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御深井(おふけ) | ||
尾張徳川家が名古屋城御深井丸の庭に築窯し尾州御庭焼として生まれた透明の淡い 青みがかかった作品。 |
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〜瀬戸の祭り〜 | ||
陶祖祭 | 陶彦神社にまつられている加藤藤四郎左衛門景正の祭り。 藤四郎は13世紀、宋(中国)で陶芸を学び、瀬戸に窯をおこしたとされます。 最大の呼び物である鎌倉時代の装束を身にまとった「御物奉献行列」は見もの。 陶磁器廉売市は、市内各所で開催。 4月の第3週の土・日に開催 |
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せともの祭り |
窯神神社に鎮座する磁祖加藤民吉の祭り。 昭和7年に始まったこの祭りは、当初加藤民吉翁の命日である16日に実施して いましたが、現在は9月の第2土・日曜日に変更。 祭り前日には前夜祭として、 窯神神社へ御神火奉納たいまつ行列が行われます。 祭り当日、瀬戸川沿いには約250軒あまりの廉売店が並び、 多彩なパレードや陶芸展などがにぎやかに開催されます。 当店も出店するせともの大廉売市が人気! 二日間で約60万人の人でにぎわう。 9月の第2週の土・日に開催 |
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瀬戸物祭りの達人 | 瀬戸物祭りの様子 | |
〜せともの用語集〜 | ||
くつ型 | ||
丸型ではなく少しゆがんだ型のこと。 蹴鞠をする時の沓型の履き物に似ていることから由来 |
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貫入(かんにゅう) | ||
陶磁器の釉薬の面に出来た温度差によるひび(貫入)を、 わざと模様として生かした手法。 他の染料を吸い込ませてひびをはっきり見せるようにする工夫で 装飾性が増しています。 |
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タタラ作り | ||
焼き物の成形技法の一種。陶土を平たくのばし、左右に同じ厚さの 木片をおいて土の厚さを均一にし その土を綿布上に敷いて畳み寄せて器形を作る方法。 型ものや方形の器、巻き作りのときになくてはならないものです。 |
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たんぱん(胆礬) | ||
黄瀬戸には必ず施されている抜けたんぱんと言って緑発色する硫酸銅の 織部釉が表から裏に抜ける技法です。 |
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油揚げ手:アブラゲテ(または菖蒲手:アヤメデ) | ||
その名の通り、釉肌が油揚げのような感じのものです。薄手でヘラ彫りや押し型で簡素な文様があって、胆礬(たんぱん:緑発色する硫酸銅)や鉄釉の褐色を点じて色取りとしています。釉肌は半透明・半光沢、明るい黄色でやわらかく温かみのあります。またザラザラとした質感です。時に胆礬の緑が内外に通っているのは、抜け胆礬といって格別賞美されるようです。 外底には焦げがあるものもあり、その火色に雅味があって美しく、また大切な景色になっています。 |
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菊皿手・ぐいのみ手 | ||
厚手で釉肌には比較的光沢があり、鮮やかな黄色で、細かい貫入があります。緑には銅緑釉がかかり、これが流れて黄・緑入り交じり独特の美しさをかもし出します。 | ||
黒織部 | ||
黒い織部には、文様がない「織部黒」と、文様がある「黒織部」の2種類がある。黒い色は、焼成中の窯から引き出すことによって鉄釉を黒く発色させたもので、「引き出し黒」と呼ばれている。 | ||
布目 | ||
まだ柔らかい素地肌に目の粗い布を押し付けてその布の目を写したもの。 | ||
呉須(ごす) | ||
ごす。呉州とも書く。 染付けなど、藍色に仕上る。 中国の産地の名から呉須といいます。 呉須トクサ・・・呉須(藍色)を使った縦すじ状の模様 |
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印花 | ||
文様を彫った印を、乾ききっていない素地に押し付けたりして模様を出す技法。 | ||
御庭焼 | 江戸時代、藩主や上層武士が好みの茶器などを焼かせる為邸内に作った窯 |